ドル円に上昇余地!相場は過熱からは程遠い[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年5月15日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、仏大統領選が大方の予想通りマクロン候補の勝利で終わったことを好感し、113円台へ上昇してスタート。米国債利回りの上昇や株高にもサポートされ、一時114.37円と3月中旬以来の水準へ上昇した。

ドル円の強気材料が揃うものの…

米政府機関閉鎖懸念や仏大統領選挙といった不透明要因が剥落し、北朝鮮情勢も新たな動きが見られない中、市場の警戒感が後退し、米国株高・リスクオンの円安の流れが固まりつつある。市場の不安心理を反映するVIX(恐怖指数)も一時10ポイント台を割り込み、約25年ぶりの低水準となった。コミーFBI長官の電撃解任でトランプ政権の先行きを不安視する向きもあるが、経済政策への影響はないと見てよく、インパクトは限定的となりそうだ。

先週木曜日に発表された米国の失業保険継続受給者数は191.8万人と28年ぶりの低水準となった。失業保険の受給者数は失業率と連動しており、今後も失業率が一段と低下する可能性が高いことを示している。また4月の生産者物価指数(食品・エネルギー除くコア)は前月比で0.4%、前年比で1.9%上昇し、予想の0.2%、1.6%を大きく上回った。労働市場の逼迫を背景にインフレ懸念がじわりと高まっている。

FF金利先物は6月利上げをすでに8割近く織り込み、年内あと2回以上の利上げも5割織り込み始めた。市場のコンセンサスが「年内1~2回」から「年内2回」にシフトする過程で、ドル円は前回高値の115.50円近辺を上抜けしていく可能性が高い。FRBは年内にはバランスシートの縮小に着手する以降を示しており、米国債利回りの上昇余地も広がりそうだ。日米金利差は今後着実に拡大すると見込まれ、ドル円の下値を支えることになるだろう。

これだけドル円の強気材料がそろい、実際に相場が1ヶ月弱で5%あまり上昇しているにもかかわらず、市場参加者の動向は依然慎重だ。IMM通貨先物の取り組みを見ると、投機筋の円売り越し規模の増加はここ2週間ごくわずかで、昨年末のピークから見れば3分の1程度にとどまっている。トランプ政権の先行きに対する漠たる不安や北朝鮮有事などのテールリスクが脳裏から払拭できず、思い切ってポジションを傾けづらい局面が続いていたということだろう。市場関係者・専門家のコメントを見ても、まだまだドル円の上昇に懐疑的な見方のほうが多数派だ。

ドル円の上昇余地は依然大きい

しかし不透明要因が剥落し、米国の金利先高感が強まっている現在、投機筋がドル買い・円売りを再び仕掛けてくる可能性は高い。ドル円が115円を突破すれば、慎重だった専門家も強気に宗旨替えしてくるのではないか。逆に言えば、現段階では相場はまだ過熱しておらず、ドル円の上昇余地は依然大きいと思われる。今週も強気スタンス継続で臨みたい。